電力不足や計画停電などが呼びかけられてもEVは充電が必要!電力供給不足や停電とEVについて

更新 2022.06.09 充電事情
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電力不足や計画停電などは、電力の需要に対して供給が足りなくなる可能性があるときに聞く言葉です。では、電力不足や計画停電などのときは、電気自動車の充電ができないのでしょうか。今回は、電気の供給が不足しそうなときや停電したときに、電気自動車の充電はできるのか考察していきます。


 


電力不足は電気自動車の充電に影響するのか?


 



 


電力不足は、電気の供給量がピークになりそうなときに呼びかけられるため、電気自動車の充電に影響することはないでしょう。


 


もし、電気自動車が夕方のピーク時に一斉に充電を開始すると、電力供給が間に合わなくなり、停電して充電が停止する可能性があります。しかし、電気自動車の多くは、予約充電(タイマー充電)機能が搭載されているため、夕方のピークを避けた時間にタイマーを設定すれば、問題なく充電することができるでしょう。


 


また、太陽光発電と蓄電池(リチウムイオンバッテリー)を併用したタイプでは、独立運転することができることから問題なく充電ができます。


 


このように、電気自動車そのものの制御や独立型の充電インフラ設備などにより、電力不足が電気自動車の充電に影響することが少ないと言えるでしょう。


 


しかし、停電してしまった場合は、送電線から電気の供給を受けている普通充電器・急速充電器ともに電気自動車の充電ができません。


 


充電中に停電するとどうなるのか?


 



 


電気自動車を充電しているときに停電してしまった場合は、充電がストップします。停電により充電がストップした場合、どのようになるのでしょうか。メーカーが公表している情報をまとめてみました。EVユーザーはもちろん、今後EVを購入するときの参考にしてみてください。


 


テスラのPowerwall


 


テスラの太陽光発電を兼ね備える家庭用蓄電池「Powerwall」の場合は、蓄電池の充電量が多ければ、EVへの充電と家庭への給電の両方を行うことが可能です。蓄電池の残量が減ってくると、EVへの充電速度が遅くなったり、停止したりします。ただし、太陽光発電により蓄電池への充電量が回復するとEVへの充電も再開します。テスラの「Powerwall」は、蓄電池の電池残量に応じて給電先を自動で変えてくれる家庭用蓄電池です。


 


ニチコンのEVパワーステーション


 


ニチコンのEVパワーステーションの場合は、「手動充電操作」、「タイマー充電」、「車両からの操作による動作中」とシーンにより充電再開方法が異なります。


 


手動操作での充電中に停電すると充電が停止し、停電復旧後に再度充電の操作を行わなければなりません。


 


タイマー充電中に停電した場合は充電が停止し、タイマー設定時間内にEVパワーステーションが停電復旧を確認すると、EVへの充電が再開されます。ただし、停電した時に給電を電気自動車から家電製品に切り替えた場合は、EVへの充電が再開されません。


 


車両から充電開始操作をして充電しているときに停電した場合は充電が停止します。停電が復旧した場合は、充電を再開することがあります。ただし、停電時に給電を電気自動車から家電製品に切り替えた場合はEVへの充電を再開しません。


 


トヨタホームの家庭用壁付型充電器


 


トヨタホームの家庭用壁付型充電器の場合は充電が停止します。停電復旧後は、自動的に再充電開始しないことがあるとのことです。


 


急速充電器(CHAdeMO)


 


急速充電器の規格として日本国内に流通している「CHAdeMO(チャデモ)」は、設置するときに参照する「電気自動車用急速充電器の設置・運用に関する手引書」に次のように記載されています。


 


・絶縁及び接続状況等に異常がある場合は、充電を開始しない措置を講ずること。 


・漏電、制御機能の異常、電圧又は電流の異常を検知及び異常な高温を検知した場合は自動的に停止すること。


・手動で緊急停止させることができる措置を講ずること。


・自動車等の衝突防止を講ずること。(車止め、鉄製又は樹脂製のポール等)


・筐体内に蓄電池を内蔵するものにあっては、異常な高温の検知及び電圧又は電流等の異常を検知した場合は自動的に停止すること。


(※CHAdeMO「電気自動車用急速充電器の設置・運用に関する手引書」より一部抜粋)


 


CHAdeMOは、異常を検知すると充電できないようになっています。つまり、急速充電器のCHAdeMOは停電すると充電が自動停止すると言えるでしょう。


 


まとめ


 


電気自動車は、充電が不可欠な乗り物であるため、電力不足や計画停電などが呼びかけられるとEVの充電残量が心配になるでしょう。


 


電気自動車を充電する普通充電器・急速充電器ともに、停電すると基本的に充電ができません。そのため、充電残量がギリギリになる前に充電したり、タイマー充電を使った計画的な充電をしたりすることが大切です。


 


地震が多く、電力不足になることもある日本国内でEVを購入するときは、計画的かつ定期的に充電できる設備があるかどうかも考えておく必要があるといえるでしょう。


 

[電気王編集部]