ハマーが電気自動車で登場!EVになったハマーの詳細やライバル車を解説

更新 2021.11.05 海外ニュース
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近年、カーボンニュートラルに向けた政策により電気自動車(EV)の需要が高まっています。そのため各メーカーはコンパクトカーを始め、セダン、SUV、スポーツカーなどさまざまなタイプのEV開発に注力しています。なんと、GMのGMCブランドからはハマーもEV化するというニュースが飛び込んできました。ハマーといえば、米軍の軍用四輪駆動車「ハンヴィー」の民間仕様。大量の燃料と引き換えに、難なく悪路を乗り越える高い走破性を手に入れたクルマというイメージが強いですよね。この記事では、電気自動車のイメージとはかけ離れたハマーのEV化について詳しく解説します。


 


GMC ハマーEVとは


 



 


GMC ハマーEVは、2023年~2024年にデビューが予定されている電動SUVおよびピックアップトラックです。ハマーは、1992年~2010年までに「H1」、「H2」、「H3」と無骨なスタイリングのSUVおよびピックアップトラックを販売してきました。2010年にブランドを閉鎖しましたが、10年ぶりにEVになって復活することを発表。


ハマーは電気自動車であっても、無骨なスタイリングや大排気量エンジン車に劣らないパワーを発揮するのが特徴。デビューが2023年~2024年であるため、実車を目にできるのはまだ先になりますが、現時点(2021年10月現在)でわかっている情報をお伝えします。


 


GMC ハマーEVの特徴


 



 


ここからは、2024年にデビューを控えているハマーEVの特徴を詳しく解説します。


 


ハマーらしい無骨なスタイリング


 


ハマーEVの写真や映像を見てみると、高めの地上高、厚めのボディパネル、直線的なスタイリング、メッキで装飾されたフロントライトまわり、縦型のリアコンビランプなど、一目でハマーだとわかるスタイリングになっています。


 


インテリアは、水平基調のダッシュボード、縦のエアコン吹き出し口が特徴的です。また、デジタルメーターや大型のセンターディスプレイによって先進的なハマーであることを演出。ハマーの伝統を受け継ぎながら、最新のデバイスを取り入れています。


 


電気が生み出す最高出力1000馬力のピックアップトラックと最高出力830馬力のSUV


 


ハマーEVのパワートレインは、SUVとピックアップトラックでスペックに違いがあります。


 


ハマーEVのSUVは、2モーターと3モーターの2種類のパワートレインをラインアップ。2モーターが最高出力625ps/最大トルク10,033Nm、3モーターが最高出力830ps/最大トルク15,592Nmです。


 


ピックアップトラックは、3モーターで最高出力1,000ps/最大トルク15,592Nmと発表されています。いずれのパワートレインも出力・トルク共に非常に高い数値です。特に最大トルクは、2モーターであっても10,000Nmを超えます。これほどの太いトルクを発生できるのは電気モーターならではの特徴といえるでしょう。


 


また、太いトルクを瞬時に発生する電気モーターの特性により、3モーターのSUVの0-60mph(0-96.5km/h)加速は3.5秒、ピックアップトラックは約3秒。スポーツカー並みの動力性能を誇ります。


 


四輪操舵システムとオフロード性能


 


ハマーEVの四輪駆動システムは、3モーターe4WDシステムが搭載されます。また、四輪操舵システムも搭載されており、後輪が最大10度も向きを変えるため、車両そのものを斜めに移動させることが可能です。ハマーの公式サイトを見ると「Crab Walk」と表記され、映像を見ると蟹のように移動していることが確認できます。大きな岩などの障害物を避けるときに斜め方向に移動できるのは、オフロードでの走行に役立つでしょう。


 


さらに、アクティブサスペンションによって約6インチ(約15センチ)も高さを上げられます。ハマーは電動化によって、より高度なオフロード性能を身につけているといえるでしょう。


 


ハマーEVのスペックとライバル車比較


 



 


ハマーEVのスペックとライバル車の比較をしてみましょう。なお、ここで表記している内容は本国の情報をもとに翻訳したスペックや数値であるため、日本に導入されたときのスペックと異なる場合があります。


 


【ハマーEV SUVのスペック】


・全長:4,999.5mm(196.8インチ)


・全幅:2,196mm(86.5インチ)


・ホイールベース:3,218mm(126.7インチ)


・最低地上高:406mm(16.0インチ)


・フロントオーバーハング:881mm(34.7インチ)


・リアオーバーハング:900.5mm(35.5インチ)


・アプローチアングル:49.6度


・デパーチャーアングル:49.0度


・パワートレイン:2モーター(最高出力625ps/最大トルク10,033Nm)、3モーター(最高出力830ps/最大トルク15,592Nm)


 


【ハマーEVピックアップトラックのスペック】


・全長:5,507mm(インチ)


・全幅:2,201mm(86.7インチ)


・ホイールベース:3,445mm(135.6インチ)


・最低地上高:404mm(15.9インチ)


・フロントオーバーハング:881mm(34.7インチ)


・リアオーバーハング:1,181mm(46.5インチ)


・アプローチアングル:49.7度


・デパーチャーアングル:38.4度


・パワートレイン:3モーター(最高出力1,000ps/最大トルク15,592Nm)


 


テスラ サイバートラック(TESLA Cybertruck)


 


電気自動車の製造販売でシェアを伸ばしているテスラが発売を予定しているEVトラックがサイバートラックです。現在予約受注を受け付けているため、詳しいスペックは公表されていません。しかし、「トラックよりも実用的でスポーツカーよりも優れたパフォーマンス」と発表されていることからも、ハマーEVのライバルになるといえるでしょう。


 


サイバートラックは、直線と平面で構成されたコンセプトカーのようなスタイリングが特徴です。サイバートラックのボディには、耐久性と乗員保護を実現するエクステリアシェルを採用。積載容量は、最大3,500ポンド(約1,600リッター)を誇ります。また、4インチずつ上げ下げできるアダプティブエアサスペンションも装備。さまざまなシーンに対応できる万能なピックアップトラックです。パワートレインは、優れたトラクションと太いトルクを発生させ、0-60mph(0-96.5km/h)加速は2.9秒、航続距離は500マイル(約800km)と公表されています。


 


軍用車から得たオフロード性能を持つハマーと先進的なテクノロジーでピックアップトラックを作ったテスラは、いずれも詳しい情報やスペックが公開されていません。そのため一概に性能を比較することができないものの、ライバルになるのは間違いといえます。続報を待ちましょう。


 


メルセデス・ベンツ EQG(Mercedes-Benz EQG)


 


メルセデス・ベンツ EQGは、2021年に発表されたコンセプトカーで、メルセデス・ベンツの本格オフローダーGクラスの電動化モデルです。デザインは、Gクラスのスタイリングを継承しているものの、グリルやライトまわりのデザインがEQシリーズ共通のフェイスに変更されています。


 


Gクラスが持つオフロード性能を受け継いで電動化されたEQGは、4つのモーターが搭載されているとのことです。現時点ではコンセプトモデルであるため、実際に発売されるかどうかは未定ですが、販売がされればハマーEVのライバルになるといえるでしょう。


 


ジープ レネゲード 4×e(Jeep Renegade 4xe)


 


本格的なオフロード性能を持つSUVの電動モデルはEVだけではありません。ここでは、電動4×4システムを搭載するモデルとしてジープ レネゲード4×eをピックアップします。


 


レネゲード4×eは、1.3Lエンジンが前輪を駆動し、電気モーターが後輪を駆動する四輪駆動システムを採用した電動化SUVです。本格SUVらしい装備としてトラクションコントロールに「AUTO」「SPORT」「SNOW」「SAND/MUD」「ROCK」の5つのドライブモードを用意。あらゆるシーンでジープらしい走破性能を発揮します。


 


PHEVではあるものの、本格的なオフロード車を作るメーカーのSUVであることやハマーと同じ文化を持つことからライバルに近いモデルといえるでしょう。


 


まとめ


 


ハマーEVは、発売される予定の本格SUVおよびピックアップトラックです。ハマーらしい無骨なスタイリングと大きなボディでありながら、スポーツカー並みの走行性能とオフローダーに求められる機能を両立していることからも、唯一無二のモデルになるといえるでしょう。


 

[電気王編集部]