ポルシェ タイカンはポルシェ初となる4ドアタイプのEVです。優れたエンジンと走行性能を兼ね備えたスポーツカーを作り続けているポルシェの輝かしい歴史から見ると、EVで4ドアのタイカンは色物と捉えられそうです。しかし2021年1月~9月期において、タイカンの販売台数がポルシェを代表するスポーツカー911を抜いたという報道がありました(911:2万7972台 タイカン:2万8640台)。この記事ではタイカンが持つ魅力に迫っていきます。
ポルシェ タイカンとは
ポルシェ タイカンは、2020年にポルシェ初の4ドア4シーターのピュアEVとしてデビューしました。かつてポルシェは918スパイダーというV8エンジンを積んだPHVを発売したことがありますが、タイカンはモーターだけを搭載した完全なる電気自動車です。セダン(厳密にはハッチバック)とワゴンの二つのボディタイプが用意されています。
【グレード・航続距離・出力】
セダン
・タイカン Base Performance Battery (バッテリー容量:79kWh)
航続距離:約354キロ ・最高出力:240kw/最大トルク:345Nm
・タイカン Base Performance Battery Plus (バッテリー容量:93.4kWh)
航続距離:約362キロ ・最高出力:240kw/最大トルク:357Nm
・タイカン 4S Base Performance Battery (バッテリー容量:79.2kWh)
航続距離:約381キロ ・最高出力:320kw/最大トルク:640Nm
・タイカン 4S Base Performance Battery Plus (バッテリー容量:93.4kWh)
航続距離:約388キロ ・最高出力:320kw/最大トルク:640Nm
・タイカン ターボ Base Performance Battery Plus (バッテリー容量:93.4kWh)
航続距離:約386キロ ・最高出力:460kw/最大トルク:850Nm
・タイカン ターボS Base Performance Battery Plus (バッテリー容量:93.4kWh)
航続距離:約333キロ ・最高出力:460kw/最大トルク:1050Nm
ワゴン
・タイカン4 CrossTurismo Base Performance Battery Plus (バッテリー容量:93.4kWh)
航続距離:360キロ ・最高出力:280kw
・タイカン 4S CrossTurismo Base Performance Battery Plus (バッテリー容量:93.4kWh)
航続距離:約388キロ ・最高出力:360kw
・タイカン ターボ CrossTurismo Base Performance Battery Plus (バッテリー容量:93.4kWh)
航続距離:約395キロ ・最高出力:460kw
【サイズ】
セダン
・全長4,965㎜×全幅1,965㎜×全高1,380㎜
ワゴン
・全長4,974㎜×全幅1,967㎜×全高1,412㎜
ポルシェタイカンの魅力
EVでもポルシェらしい乗り味
タイカンはEVでありながら、ポルシェらしい人と車との高いシンクロ感と、気持ちよく曲がるコーナリング性能などから、まさにポルシェといえる乗り味に仕上げてきました。発売前のネガティブなイメージはどこ吹く風、このポルシェらしさが、タイカンの人気の一番の理由でしょう。
高い実用性
タイカンは4ドア4シーターであるため、ポルシェのスポーツ性能を持ちながら高い実用性を誇っています。特にクロスツーリスモは、ワゴンボディなので広大な荷室を確保しています。普段の買い物からアウトドアや旅行など様々なシーンで使うことができます。ポルシェでここまで高い実用性を持っている車種は、SUVであるカイエンやマカンを除くと、パナメーラかタイカンしかありません。EVに興味がある方ならばタイカン一択になります。
タイカンのライバル車種
絶好調とも言えるタイカンですが、ライバルも存在します。それぞれタイカンより優れている/劣っているところも合わせて紹介していきます。
テスラ モデルS
テスラ モデルSは、EVを一気に世の中に広めた一台でしょう。特にバッテリーやモーターなどの技術面だけでなく、タブレットをダッシュボードにはめ込んだような先進的な内装のデザインや、シンプルながら存在感のあるエクステリアなどの五感に訴えかける部分もこれまでの車とは一線を画していました。発売からある程度時間が経過しましたが、進化を続け、今でも現行EVの中ではトップランナーと言えます。
タイカンよりも優れているところ
・圧倒的に長い航続距離(最低600キロ~)
・先進感のある内外装のデザイン
・最先端の自動運転装備
タイカンよりも劣っているところ
・アップデートは行われているが、デビュー年が古い(2012年)
・高い走行性能を持っているが、‘‘味‘‘という面ではポルシェに劣る
アウディ e-tron GT
アウディ e-tron GTは、ポルシェタイカンと同じプラットフォームを使い、アウディが開発したスポーツタイプの4ドアEVです。2021年10月末現在、日本国内にはまだ正式発売とはなっていませんが、タイカンと同じプラットフォームということと、ポルシェと違って数車種のEVを発売してきたアウディだからこその安心感で注目が高い一台です。
タイカンよりも優れているところ
・長い航続距離(534キロ)
・同程度のグレードで比べて多少安い(タイカン:約1460万円 e-tron GT 約1400万円)
※ポルシェは多くの装備がオプションの事が多いため、さらに価格差は広がる可能性があります
タイカンよりも劣るところ
・現時点で日本正式発売になっていないため不明。
まとめ
本記事ではポルシェタイカンについて見ていきました。ポルシェ初のEVでありながら、ポルシェらしい走りと、高い実用性を兼ね備えたスポーツカーであるというのが、人気の理由でしょう。タイカンの成功を見て、これから他の国高級車ブランドもタイカンの市場に参入してくるかもしれません。今後も楽しみな分野です。