車はIT企業が作る時代に?!AppleやGoogleなどのIT企業がEV関連事業に参入できる理由とは。

更新 2021.11.04 EVライフ
目次

AppleやGoogle、ソニーに続き、中国のIT大手である百度もEV参入を発表しました。ガソリン車の新規参入はあまりありませんでしたが、EVの場合、今後多くのIT企業が開発に乗り出すかもしれません。


なぜIT企業がEVの開発に続々と新規参入できるのか。この記事では、IT企業のEV参入事情や、今後どのような車をリリースしようとしているかを解説します。


 


EV関連の開発を進めるIT企業


 



 


EV関連の開発を進めるIT企業にはどのような会社があるのでしょうか。まず、EV関連事業に参入しているIT企業と開発している内容を解説します。


 


Apple


 


iPhoneやMacなどで知られるAppleは、EV事業へ参入するために自動車メーカーと交渉を進めていましたが、提携交渉が難航しているとのことです。


 


Appleは、スマートフォンやノートパソコンの製造で培ったバッテリーやソフトウェアなどの内面的な技術を自動車メーカーに提供しEVを製造しようとしていたようですが、今後Appleが作るEVがどのようになるのか、現時点(2021年10月現在)では、明らかになっていません。


 


Google


 


Googleは、Android Autoで自動車の内面的な技術の分野に参入していますが、自動車を製造するかということは現時点(2021年10月現在)で明らかになっていません。


 


ただし、現時点で自動車メーカーとの連携をしていることから、ハードウェアの製造を自動車メーカーが行い、ソフトウェアの製造をGoogle担当する自動車がリリースされる可能性があるかもしれません。


 


ソニー


 


ソニーは、自動車産業に本格参入することを明らかにし、プロトタイプEVも発表しました。プロトタイプの「VISION-S」は、5Gネットワークのコネクティビティなどの通信技術を搭載しています。また、自動運転の走行試験なども実施していることから、近い将来ソニー製のEVが発売されるかもしれません。


 


【プロトタイプ:VISION-Sの主要諸元】


■乗車定員:4名(全席に独立シートスピーカー)


■全長4,895mm×全高1,450mm×全幅1,900mm


■ホイールベース:3,030mm


■最低地上高:120mm~135mm


■車両重量:2,350kg


■出力:200kW×2(フロント/リア)


■加速性能(0-100km/h):4.8秒


■最高速度:240km/h


■駆動方式:四輪駆動


 


百度(バイドゥ)


 


中国最大の検索エンジンの百度は、自動運転技術の開発もしており、EVの開発や製造を手がける子会社を2021年に設立しました。新たに設立した会社は、中国の自動車大手「吉利」も出資するため、両者の強みを活かしたEVが誕生するといえるでしょう。


 


鴻海(ホンハイ)


 


スマートフォンやテレビなどの電子機器を受託生産する中国の鴻海(ホンハイ)は、2021年に全世界にEV工場を作ることを発表しました。また、EVのオープンプラットフォームも発表しています。今後、基本構造部に鴻海製のプラットフォームを採用したEVが登場する可能性があるでしょう。


 


なぜIT企業がEVを開発できるのか


 


なぜIT企業はEVを開発できるのでしょうか。それは、内燃機関の車とEVでは、依存している機関に違いがあるからです。


 


EVの性能は、ソフトウェアやバッテリーに依存しています。従来の内燃機関の車では、ターボチャージャーやDOHCなど、エンジンに関わる技術開発が自動車業界をリードする要因のひとつでした。一方、EVではソフトウェアやバッテリーなどの開発がエンジンに代わる重要なパーツになります。ソフトウェアやバッテリーは、IT企業が得意とする分野です。よって、IT企業がEV事業に参入しているといえるでしょう。


 


自動車メーカー以外が作る車は安全なのか


 


自動車メーカーではない企業の参入が話題となるEVですが、安全面の問題はないのでしょうか。ニュースでは、EVのバッテリーが発火し、長時間燃え続けているという報道を耳にすることがあります。このようなニュースは、新規参入した企業のEVだけでなく、長年車を作り続けてきた自動車メーカーでも起きている事象です。


 


ただし自動車は、保安基準をクリアした車両しか販売できません。そのため、自動車メーカーが作るEVと新規参入した企業が作るEVのどちらも、一定の安全性は担保されているといえるでしょう。


 


今後、IT企業が自動車業界に参入してくる可能性はあるのか?


 


今後、EV事業に参入するIT企業は増えるのでしょうか。先述した5社以外にも、中国のXiaomi(シャオミ)や日本電産などがEV関連事業に参入すると発表しています。新たにEV関連事業に参入を表明している会社の多くは、電子機器を製造するメーカーです。そのため、今後電子機器メーカーがEV関連事業に参入する可能性は十分にあると考えられます。


 


まとめ


 


近年、増えてきたIT企業のEV関連事業参入。EVは従来の内燃機関の車と同じような見た目でも、内部構造に大きな違いがあります。EVの内部構造は、バッテリーやコントロールユニット、モーターなど、IT企業や電子機器メーカーが得意とする分野です。また、EVは走るスマートフォンとも呼ばれます。スマートフォンは、OSやRAM、通信環境やバッテリーなどによって、良いスマホかどうか判断されることが多いです。走るスマートフォンと言われるEVもスマートフォンと同じように、OSやバッテリーなどがEVの性能を左右するといえるでしょう。そのため、今後もIT企業がEV関連事業に参入する可能性は十分にあると言えます。今あなたが使っているスマートフォンと同じメーカーのEVが発売される日も遠くないかもしれません。


 

[電気王編集部]