プラグインハイブリット(PHEV/PHV)に興味はあるけど、まだまだ身近に購入者がいないため情報収集に困っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、PHEV/PHVの特徴やガソリン車と比較しメリット/デメリットを徹底解説します。また、おすすめ車種も紹介します。
PHEV/PHV(プラグインハイブリッド)とは
PHEV/PHV(プラグインハイブリット)とは、一言でいうと外部充電ができるハイブリットカー(HV)のことです。外部充電とは、プラグを車にさして充電できることを指します。
ここからは、外部充電でできる特徴を説明します。
PHEV/PHVとHVの比較から分かる特徴
一つ目にPHEVにはEVと比較して大容量のバッテリーが積まれています。
前述の通りPHEVとは外部充電ができるHVのことですが、外部充電をすることでPHEVはHVよりも多くの電気を貯めることができます。そのため、EV走行がHVよりも長くできます。例えばHVであるプリウスは、約1キロほどしかEV走行できませんが、プリウスPHVでは約68キロもEV走行が可能です。しかも、EV走行時はガソリンを使わないため、燃費が大きく向上します。
次に、EVと違いガソリンでも走ることができます。これは大きな特徴です。
もし、充電がなくなってもガソリンで走れますし、ガソリンならば5分程度で満タンにして走りだせます。
EVは、急速充電を利用しても一般的に満充電まで30〜60分程度の時間がかかります。充電スポットもガソリンスタンドほど多くありません。また、スタンドによっては、急速充電器がないこともあります。
ガソリンと電気で走ることのできるPHEV/PHVであれば、バッテリー切れの場合にガソリンを給油することで長い充電時間から解放されます。
PHEV/PHVが向いている人
PHEV/PHVの特徴を踏まえ、向いている人をまとめます。
①とにかく燃費がいい車に乗ってランニングコストを抑えたい
EV走行時はガソリンを使うことがないため、燃費は抜群に良くなります。大容量のバッテリーに貯める電気とガソリンを上手にかけ合わせることで、ガソリン車やHVよりも維持費は安くなるでしょう。
②まだEVは買いたくないけど、興味がある
EVに興味がある。でも、充電時間や航続距離などまだまだ不満点も多いと感じている人も多いはずです。これらの問題はPHEV/PHVなら心配ありません。充電がなくなっても、ガソリンで走れますし、長距離ドライブも安心です。もちろん、EV走行も街乗り程度であれば十分に走れるはずです。つまり、EVとHVの良いとこ取りな一台といえます。
③アウトドアが好きでキャンプとかによく行く
PHEV/PHVは、大容量のバッテリーに貯めておいた電気を、電化製品などに給電することができます。車種によって最大出力数が違うので、使える電化製品等も変わってきますが、電源のないアウトドアで大活躍するでしょう。また、騒音の大きな発電機と違い、PHEV/PHVなら静かに給電できます。いつでもどこでも、電源を確保できることが大きな魅力です。
PHEV/PHVおすすめ車種
現在、PHEV/PHVは国産・輸入車問わず数多くの車種がラインナップされています。特にボルボは、現在発売中の全車種にラインナップされています。そんな数あるPHEV/PHVをタイプ別におすすめしていきます。
【セダン】 ボルボ S60 Recharge
ボルボは昨今電動化を強く推し進めているメーカーの一つです。そんなボルボのS60 RechargeをセダンタイプのPHEV/PHVとしておすすめしたいです。まず、EV走行が45.1kmできること。大きなバッテリーを積んでいるにも関わらず、ベース車と比較して荷室や室内空間をほとんど犠牲にしていません。
また、この車は性能だけでなく、美しいデザインも大きな魅力です。上品で優雅でありながら、決して地味ではない、素晴らしいデザインです。
【SUV】 トヨタ RAV4 PHV
RAV4 PHVは、発売当初から人気に火がつき受注停止に至りました。人気の理由はもともと売れていたRAV4がベースということだけではありません。満充電で95kmものEV走行ができることや、システム総出力306馬力・0-100kmを6秒で駆け抜けるなどの優れた性能を持っていることも人気の理由でしょう。
また、100V1500Wの給電に対応しているため、4WD車であることと合わせて流行りのアウトドアとも相性バッチリです。
更に大きなバッテリーを積んでいますが、荷室の高さが僅かに増しただけで車体サイズはほとんど変わっていないのも大きなポイントです。
価格は約66万円高くなる(補助金でさらに20万円ほど下がる)だけなので、人気が出るのも納得です。
【スポーツカー】フェラーリ 296GTB
今ではフェラーリにもPHEVがあります。
なかでも296GTBは、フェラーリとしては初の3リッターV6エンジン搭載モデルです。V6ということで昔からのフェラーリファンには、否定的な人もいるかもしれませんが、システム出力830馬力(V6エンジン単体では663馬力でリッターあたり221馬力は市販車新記録)という、もの凄いスペックを持っています。
また、モンスター級のスペックを誇るフェラーリでありながら25kmのEV走行も可能です。
フェラーリまでがプリウスのようなサウンドになったかと心配する人もいるかもしれませんが、EV走行ではない通常走行でのサウンドは往年のフェラーリほどではありませんが、十分にフェラーリサウンドを響かせてくれます。新時代のフェラーリとして面白そうな一台です。これから自動車の電動化がどんどん進んでいくでしょうが、走行音へのこだわりは、さすがフェラーリ!と唸らされます。
まとめ
今回はPHEV/PHVについて詳しく見ていきました。車種も増えてきており、今後も注目を集めるでしょう。とは言え、自動車は変革期の真っ最中にいます。PHEV/PHVもとても長い目で見るとどうなるのかは分かりません。EVの性能が飛躍的に伸びれば、存在意義も薄れるでしょう。または、燃料電池自動車(FCV)が最後には残っているかもしれません。しかし2021年現在では、PHEV/PHVは最も不満・不安なく普通に乗れる半電動自動車であることは間違いありません。