電気自動車(EV)の大きな魅力と言えばランニングコストの安さです。内燃機関の車では、オイル交換などのコストがかかりますが、電気自動車の場合にはオイル交換など内燃機関に関わるランニングコストをカットできます。
また、内燃機関のガソリン1Lあたりの走行距離を示す燃費は、電気自動車の場合に1kWhで走れる走行距離を示す「電費」という言葉に変わります。
内燃機関のガソリン代は、どの時間帯に給油しても金額に違いはありませんが、電気自動車の充電は夜間電力にすることで通常プランの半分程度に抑えることもできるのです。
より電気代金を抑える方法は夜間電力の他にもあります。それは「電気自動車専用タイヤ」を装着することです。電気自動車専用タイヤを装着すれば、電費が良くなり、充電する回数や充電量が少なく済むため、電気代金を安くできます。
この記事では、電費節約で効果を発揮する「電気自動車専用タイヤ」について紹介します。
電気自動車(EV)専用タイヤとは
電気自動車専用タイヤには、どのような特徴があるのでしょうか。ここからは、電気自動車専用タイヤの特徴を解説します。
■EV専用タイヤの特徴1:「転がり抵抗が低い」
転がり抵抗が低いタイヤとは、タイヤが路面に接地するときの変形が抑えられたタイヤのことです。このタイプは低燃費タイヤやエコタイヤとも呼ばれ、ハイブリッドカー(HV)やプラグインハイブリッドカー(PHEV)などのエコカーにも採用されることがあります。
ただし、タイヤが変形しにくい構造であるエコタイヤは、路面からの衝撃をタイヤ本体で吸収しにくいため、乗り心地が悪化することがデメリットです。
■EV専用タイヤの特徴2:「ロードノイズが小さい」
電気自動車は、エンジンが搭載されていないため、内燃機関の車にある音や振動がありません。そのため、タイヤから発せられるロードノイズや走行時の風切り音がガソリン車と比べて気になります。
電気自動車専用タイヤでは、車内に入ってくるロードノイズを低減させるため、専用のトレッドパターンを採用したり、ゴムの成分やコンパウンドの調整などをしているものが多いです。
■EV専用タイヤの特徴3:「径が大きく、太さが細い」
電気自動車専用タイヤは、航続距離を伸ばす工夫がされているタイプもあります。その工夫とは、「径を大きくして、太さを細くする」ということです。
タイヤは径を大きくすると、路面に接地したときの変形を抑えることで前述の通り転がりやすくなります。また、タイヤの太さを細くすると、タイヤ本体が受ける空気抵抗を少なくできるのです。
「径が大きく、太さが細い」タイヤは、電気自動車専用タイヤとして、BMW i3などに採用されています。
電費や空気抵抗を重視して作られた細いタイヤは、路面との接地面積が小さくなりやすいため、タイヤのグリップ性能が低くなりやすいということがデメリットです。
電気自動車(EV)専用タイヤをガソリン車に履かせたらどうなる?
電気自動車専用タイヤは、専用サイズのケースがあるため、装着できないことがあります。
サイズが適合して内燃機関の車に装着した場合、エコタイヤとしての機能を発揮するため、燃費が良くなる可能性が高いです。しかし、前述したように、乗り心地が悪化したり、突き上げ感を感じたりする場合があるでしょう。
まとめ
電気自動車専用タイヤは、エコタイヤとしての機能に加え、ロードノイズを低減させる工夫がされている場合が多いです。また、車種によっては、専用サイズのタイヤを装着しているケースもあります。
ブリヂストンは、2030年までにタイヤ生産の9割を電気自動車向けに切り替えると発表しました。今後、電気自動車専用タイヤはますます進化することが期待されますね。
タイヤ交換をするときは、電気自動車の特性に合ったタイヤを選ぶと良いでしょう。